前回の液タブ記事から、かれこれ約3年ぶりの更新になります。
rwiiug.hatenablog.com
My new gear...!! pic.twitter.com/CJPUHYhH1c
— Rwi (@rwiiug) 2022年2月14日
Wacomの液タブ『Wacom Cintiq Pro16 (2021)』買いました!
・・・買ってました!!!!!
なんやかんやで購入して2~3年ほど経った現在。
行き場のない製品の所感を放出するべく、
今更ながら感想等を簡潔にまとめてみます。
【目次】
【液タブ/板タブ 遍歴】
「DSやWiiU等のゲーム機」「板タブ」等
→ 液タブ『Cintiq 13HD』
→ 液タブ『Kamvas Pro 16(2.5K) 』
→ 液タブ『Wacom Cintiq Pro 16 (2021)』←今ここ
INFO
・Wacomストア - Wacom Cintiq Pro 16 (2021) (DTH167K0D)
・Wacom Cintiq Pro 16 使いかた
・Wacom Cintiq Pro 16 製品マニュアル
・FAQ検索 - Wacom Cintiq Pro 16 (2021)
・FAQ検索 - Wacom Color Manager
参考になるレビュー動画
www.youtube.com
Wacom Cintiq Pro 16 (2021) の所感
・15.6インチで4K表示
米粒。
改めまして16インチ4K、人類には早すぎる説・・・!
— Rwi (@rwiiug) 2022年3月29日
等倍表示だと文字が米粒より米粒(?)してます。強靭な眼球が備わってない限りは、もったいないけど拡大表示は必須かな。 pic.twitter.com/exwscCuphl
もはや「米粒の中に書いた文字」レベル。
画面が間近にある場合はギリギリ判別できるかもだけど、サブモニターとして離れて見る場合は視認不可能。
やっぱ15.6インチで4K表示は無理があるって・・・!
4K解像度のまま、スケーリング150%表示で実質2K(WQHD)解像度として使うのが無難な印象。
スケーリング中でも映像等のコンテンツは等倍で表示できるっぽい。
4Kの動作確認や鑑賞ができるメリットはあるものの、古いソフトの表示やファイルの保存ダイアログ等で、不意にスケーリングされない米粒文字が表示され面食らうことも。
WQHD解像度に設定し、スケーリング100%表示で使うのもあり。
ただしドットサイズの小さな文字、高解像度の画像などを表示する場合、ごく若干表示がぼやけてしまう。
実用上は大きな問題にはならないけど、精神衛生上モヤモヤ。
正直なところ、どちらにしても使いづらい。
15.6インチ、WQHD解像度ならシンプルに扱いやすく、実用的で良かったのになと。
・画面
画面のギラツキは無し。優秀!
サブモニターとしても十分活躍してくれます。
ただし、色味については期待しすぎない方が良いかも。
標準設定だとRGB(0,0,0,) とRGB(10,10,10,) の区別がほぼつけられない。
明るさ・コントラストを最大にして、かろうじてギリギリ見えるかどうかというレベル。
Adobe RGBに適した表示となっているのか、sRGB環境では表示が微妙な印象。
キャリブレーション後はsRGB表示でもごく普通な感じの表示に。キャリブレーション後の平均ΔE値は2.9ほど。
色味をガチる場合、「カラーキャリブレーター」あるいは「色調整用のモニター」は別途用意したほうが良いかも。
また、ほとんどの人は気にならない点かもだけど、
画面の明るさを最低まで下げても個人的にはまだ少しだけ眩しい。
普段、モニターの輝度を最低値付近で使用している人には若干キツイかも。
輝度と一緒にコントラストの値も落とすことでより暗くできます。
普段使い用と色調整用とで設定を分けるのもあり。
・描き味
文句なしの描き心地。視差や画面端のズレも無し。
最強装備。道具を理由に言い訳できなくなっちゃう。
本機種の一番の推しポイントとなるのがこの点。
ただ、立ち位置的には未だトップではあると思うけど・・・
そのトップと周りとの差は発売年から現在にかけて、年々猛烈に埋まってきている印象。
風のウワサによると、特許の関係で「ペンを傾けた際のカーソルのズレ補正」等はまだまだWacomが優秀らしい。そうした差も今後は特許切れ等により埋まっていくのかも。
・タッチ機能
いる・・・?
画面を拭こう → 誤作動 → /(^o^)\
本体サイズがコンパクトなため、キーボードや左手デバイス等も合わせて配置・活用しやすい。
そのため、後述の背面ボタンともども出番があまり生まれない感。誤作動のリスクもあるため、多くのユーザーは常時OFF安定だと思う。
片手でもある程度いろいろ操作できるようになるので、そういった環境の場合には活躍するかも・・・?
もっと大きな画面サイズの製品なら有効に活用できるのかも。
・発熱
(特に前モデルでは)「発熱が気になる」という感想を時折見かけるものの、個人的にはほどんど気にならない。
画面の輝度を最低値で使用しているからかも。
・ファン音
こちらはあまり感想を見かけないものの、個人的にはとても気になる。
気にならない人は気にならないと思うけど、気になる人はかなり気になるタイプのやつ。
個人的に一番のマイナスポイント。
冬場はほぼ無音で良いけど、夏場はファン音が鳴り始め結構なストレスに。
音楽やPCのファン音に紛れる程度だけど、間近で使用する機器のため気になる・・・
DTM(作曲)の際にはそこそこ支障になりかねないレベル。
夏場は使わないときはなるべく画面OFFで運用せざるを得ず、うーん。
・その他
エクスプレスキーが左右の背面に4つずつ。計8つ。
ドライバの呼び出しなど、割り当て次第でそこそこ便利。背面のため、咄嗟の使用は難しいかも。
画面下のベゼルが太め。エクスプレスキーが背面にあるため、左右はスッキリ。
背面に傾斜が付いているため、縦置き時には少し横に傾く。工夫すれば縦置き使用もできなくもないけど、縦幅とともに奥行も大きくなるため使用スタンド等に注意。(後述の「Parblo PR100」では縦置きは厳しかった)
・ドライバ
使い始めはしばしば接続が切れていたけど、現在はド安定。
ペンが反応しない、ドライバ画面に液タブ表示されない場合はType-Cケーブルの接続を要チェック。Type-C端子がすっぽ抜けやすい気がする。
・耐久性
壊れるまでなんとも言えない点なものの、2~3年の使用で特に問題なし。
(最近はさっぱりお絵かきできていないので、ほぼサブモニターとしての運用だったりしますが・・・)
ファン音がする反面、発熱はない(と思う)ので耐久性は期待できるかも。
悪い噂もあまり聞かない。
10年程前に購入したCintiq 13HDは時折使うサブモニターとして今も現役。
本機種も堅牢な作りでありますように。
・サポート
神対応。
何度かお世話になったけど、その度にこちらの方がなんだか申し訳なくなる程の丁寧な対応でした。
圧倒的感謝・・・!
日本の会社のため、当然ながら日本人と、日本語のやり取りで。
手厚いアフターサービスは海外製品と比べた際の明確な強みかと。
色味が不安で液タブを検品に出してから丸々一ヶ月・・・音沙汰無しすぎたので不安になって確認メールを → 「基準内でした」とのことだったけど、なんやかんやで新品を送っていただきました。
— Rwi (@rwiiug) 2022年3月29日
替え芯もオマケで付いてきたり。ありがとうWacomさん・・・! pic.twitter.com/XDUbMuZ01u
購入した関連製品
ペン
スリムペンとプロペン3Dについては、うかうかしている間に生産終了。廃盤になりました。
仮にも現行機種用の製品ですけど!?!!?
どうして・・・
いまさら所感(本当にいまさら)
スリムペン
・細い!軽い!
・ペンの太さが均一。前身となる「クラシックペン」では適度なくぼみ、ふくらみがあって握りやすく好みだった。
・「クラシックペン」を愛用していたけど、こちらは思いのほか個人的に合わなかった
プロペン3D
・テールスイッチがない代わりに人差し指位置のボタンが1つ追加。
・スペック上は重さは同一なものの、重心が低めなのか、標準の「プロペン2」より使いやすかった。
・個人的には「プロペン2」の上位互換だと思う
・なぜ廃盤にしたし
替え芯
標準芯 → The 普通。カツカツ描ける
フェルト芯 → けっこう個性的。「描画音」がリアルに発せられるようになる。画面に描画跡が残る。
保護フィルム
定番の保護フィルム。程よくツルツル。
描き心地はツルツル過ぎず、ザラザラ過ぎずでちょうど良い感じ。
保護シートありとなしとで描き味ほぼ変わりなし。良い意味で存在感なしなフィルム。
本体や修理費が高額な本機。取り扱う上ではある意味必須と言えるアイテムかも。
ペーパータイプはこっち
スタンド
純正品は高かったのでこちらを購入。
汎用性もありGood。2つ購入しモバイルモニターの設置にも使ってます。
角度変更が片手でもできるのが快適。
購入候補
2022年発売。VESA固定式。
高さが出せる & かなり立てかけられる。もう少し早く世に出ていればこちらを買っていたかも。
https://www.youtube.com/watch?v=THt-2wAL2bo
純正品。
・Wacom Cintiq Pro 16 (2021) (DTH167K0D)
・Wacom Cintiq 16 (DTK1660K0D)
専用。高いよー
純正スタンドにそっくりな非純正品。安い。けど非純正品。
HDMIケーブル
付属のケーブルは取り回しが悪かった & 接続部へ負荷がかかりそうだったので購入。
軽い!細い!安い!4K表示OK!複数本購入し常用してます。
端子の抜き差しが少し硬いのがややネック。
カラーキャリブレーター
複数のモニター間の色味を統一できる「カラーキャリブレーター」。
本機種と合わせて『ワコム Color Manager Powered by X-Rite EODIS3-DCWA』も購入。
Amazonの説明では一見Cintiq 27QHD専用商品のように見えるけど、実際は以下の製品に対応。
【対応機種】
・Wacom Cintiq Pro 17
・Wacom Cintiq Pro 22
・Wacom Cintiq Pro 27
・Wacom Cintiq Pro 13
・Wacom Cintiq Pro 16
・Wacom Cintiq Pro 24 ペンモデル
・Wacom Cintiq Pro 24
・Wacom Cintiq Pro 32
・Cintiq 27QHD シリーズ
・Wacom Movink 13
・その他の液晶ペンタブレット、モニター (プロファイル作成のみ)
Wacom Cintiq Pro 16 (2021)にも対応してます。
Wacom Color Manager(EODIS3-DCWA)はCintiq 27QHD、Wacom MobileStudio Pro、Wacom Cintiq Proシリーズ(DTH167K含む)と動作するように設計されております。色が重要となる作業において、カスタムルックアップテーブルなどの高度な色の管理機能(ハードウェアキャリブレーション)を提供します。
Wacom Color Managerは他のCintiqディスプレイとも動作します。(ただしソフトウェアキャリブレーションのみとなります)
FAQ - Wacom Color ManagerはWacom Cintiq Pro 16 (2021,DTH167K)で動作しますか。 より
良いところ
- 性能がピカイチ
- Wacom製品用のようで、普通のモニターでも普通に使えちゃう
- 複数のモニター間の色味が「完全に同一」とまではいかないまでも、体感的な印象がほぼほぼ同じになる
- 数千円のモバイルモニターでも一線級に。初期費用は高いけど経済的でもあり
- モニターの色味でごちゃごちゃ悩まなくて済むようになる
微妙なところ
- 一度にキャリブレーションできるモニターは4台まで
接続モニターが5台以上だとソフトウェアの起動時にエラーが出る
その場合はキャリブレーションの度にモニターの接続を切ったり入れたり。めんどい - 連続でモニターのキャリブレーションを行おうとするとUIがバグることがある。
そのため、キャリブレーション毎にソフトを再起動。少しめんどい
おま環 or 購入当時の話なのでアプデで直ってるかも - ターゲット輝度の最低値が40cd/㎡
普段、モニターの輝度を最低値近くで使用している人には眩しいかも
設定項目の「輝度→測定→環境光」から調節することで、裏技的に15cd/㎡ ほどまで下げてのキャリブレーションが可能
総括
- 描き味最強
- サポート優秀
- ぶっちゃけ高すぎ
高額な分、全方面において満点な製品!・・・かというとそうでもなく。
ファン音や発熱など、人によっては気になるポイントも。
描画性能特化型。
現在進行系でプロのクリエイター、あるいは限界まで高みを目指したいガチ勢向けの商品 という印象。
はたまた、お金にだいぶ余裕がある趣味人向け。
金銭的に余裕がない場合、無理して買うのはあまりオススメできないかな・・・というのが正直なところです。
コスパを求めるなら他をあたるべし。
安価な製品を選択して、浮いた軍資金を他に回すのも十分あり。
今現在なら、「その時々の最新版」「上位版」という条件で選んでおけば海外製品でもおおむね大丈夫なはず。
「2024年の年末」時点では、同スペック帯ではこの辺りが良い感じです。(時おり更新予定)
余談
本機種の後継機・サイズ違いのお値段は・・・
- Wacom Cintiq Pro 17 は 371,800円! 別売りスタンドは74,580円
- Wacom Cintiq Pro 22 は 448,800円! 別売りスタンドは83,380円
- Wacom Cintiq Pro 27 は 525,800円! 別売りスタンドは92,180円
TAKEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
安価な海外製品との差別化・棲み分けとしてか、近頃は高級路線を突き進み始めたWacomさん。
一般庶民にはおいそれと手が出せない価格帯となってしまい、切なさが募る。
日本企業として応援したいけど・・・けど・・・!!!
Wacomさん、頑張ってくれ~~~
つづく