ひよっこ創作ブログ@Rwi

UE4(+ゲーム制作関連)で何やら書いていきます

【DTM】Artiphon ORBAの所感・プリセット自作方法まとめ

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My new gear...


おにぎりサイズのMIDIコントローラー(?)
Artiphon「ORBA」を購入しました。

発売から日が浅いこともあってか情報不足のため、購入前に知っておきたかった所感や、各パッドに任意の音程を割り当てる方法(プリセットの自作)についてをまとめてみました。


なお、ORBA本体のみでも作曲できる機能等もあるものの、その辺は完全スルーで。
DAWで使用する用のMIDI機器として、DTMer目線で書いた記事になります。




【目次】




※記事作成時のバージョン
  Firmware version : 0.15.13
  App version : 0.15.31









関連リンク

公式関連

製品紹介ページ
ダウンロードページ(ORBA APP、UTILITY PRESETS)
ユーザーフォーラム

日本メーカーサイト商品ページ(Media Integration)
日本語製品マニュアル v1.1
MIDI Implementation Chart



購入


サウンドハウス 商品ページ











所感

動作・本体

・感度が非常に良い、反応が敏感
・ほんの少し指が表面に触れるレベルで反応する
・音数の少なさがネックだけど、フィンガードラムにも良いかも
・「軽い力で演奏できる」「省スペース」といった観点からは『Mashine Mk3』以上に有用

・片手に収まるサイズ。おにぎり感
Bluetoothで無線接続可能
・バッテリーの残量を気にしながら使うのは面倒なので、基本は有線接続?(USB Type-C to Aで接続)




使用感

・手に持って使う分にはいいけど、机に置いて使うには少し難あり
・半球体な形状、そして軽さからか、「鍵盤を弾く」レベルの力で表面を押すと本体がガタガタ揺れてしまったり、ひっくり返ってしまったり
・軽くなぞる、タップする、指でトントンする、という意識で操作する感じ




入力ベロシティー

・大まかな強弱は思い通りにつけられる

・指の腹で、水平ぎみにタップするとベロシティーが強く(または最大値に)なりやすい
・指先で、指を立ててタップするとベロシティーが弱めになりやすい(いくら強くタップしてもベロシティーが最大値に届かなくなる)

・ベロシティーカーブの調整機能は無し
・ベロシティーの固定機能も無し

・同じ強さでタップしてるつもりでも、ベロシティーがそこそこばらつく

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ジェスチャー機能

・各ジェスチャー操作の、動作の個別ON/OFFはできない(?)
ジェスチャー操作による、MIDIメッセージの割り当て変更はできない(?)(ORBAを傾けるとCC1が出力されるが、それをCC2に変更したいなど)
・タップによるMIDIノートの割り当てはプリセットを自作すれば可能(後述)

・「Tilt(傾き)」と「Move(動かす)」など、必然的に動作が干渉する(複数のCC情報が同時に送信される)ジェスチャーが多数ある(MIDIラーン機能で使いづらい)
・公式から「Move Only」など、タップ+1つのジェスチャー操作のみに機能を限定させるプリセットが配布されている(上記ダウンロードリンクの「UTILITY PRESETS」)

・タップ機能の無効化は出来ない(MIDIコントローラーとしてCC情報のみを送りたくても、表面タップでノートオン情報が送信されてしまう)

・現時点で実用的なのは「Tilt(傾き)」で送信できるCC1くらい?




所感まとめ

・謎にハイスペックなハードウェアと、MIDIコントローラーとしては今一歩足りてないソフトウェア
MIDIコントローラーとしての運用は開発時にはあまり想定されていなかったのかな、という印象
・各種カスタマイズが自由にできるようになれば化けそう
・今後のソフトウェアのアップデートに期待














プリセットの改変・自作

公式フォーラム内の投稿「Orba hacking knowledge base」 および、
こちら のBJG145氏の書き込みを参考に、プリセットの自作を行うことができました。
後学のために改めて情報をまとめてみます。








プリセットの場所

PC
C:\Users[user account]\AppData\Roaming\Artiphon\Orba\Presets

Mac
/Users/<your_user>/Library/Artiphon/Orba/Presets/






各パッドに任意の音程を割り当てる

手順

  1. 元となるプリセットファイルを複製し、複製したファイルの名前を好きな名前に変更
  2. 改変・自作するプリセットファイルを「メモ帳」などのテキストエディタで開く
  3. PresetEntry から TuningEntry の間のテキストを削除する(画像参照)。およそ全10行になる。
  4. TuningEntry 部分にある type="●●" を 、type="percussion"に書き換える
  5. TuningEntry 部分にある tuning="●●" を、それぞれ任意の音程に書き換える(C3 = 60, C#3 = 61, D3 = 62...)
  6. Orba Appを起動し、画面左端のBROWSE → PRESETSタブを確認。自作したプリセットが表示されているので、読み込む!


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画像では
Artiphon公式 ダウンロードページ(ORBA APP、UTILITY PRESETS)
からダウンロードできる、公式プリセット「Tilt Only.orbapreset」を元にプリセットの作成を行いました。 当プリセットがBASSフォルダーにある場合のみ、タップ+Tiltジェスチャーのみに動作が限定されます。



【メモ】
・プリセットのソースコード編集後には、Orba Appの再起動 → プリセットの読み込みが毎回必要
・Orba Appを起動すると、自作したプリセットのソースコードの中身が追加される

・Orba Appによるスケールの移調はできない(変更すると通常のメジャー/マイナースケールになってしまう)
ソースコードのその他の箇所をいじればスケールの変更もできる・・・かも?(未確認)






プリセット画像を変更

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プリセットのソースコードのはじめの部分にある

PresetEntry name="●●" description="●●"
tagList="●●" coverImage="【めっちゃ長い文字列】"

この【めっちゃ長い文字列】部分を書き換えることでプリセット画像の変更が可能。


【メモ】
・画像はBase64形式のテキストデータで指定
Base64 画像エンコードツール → 画像Base64 エンコード

・画像比率は正方形(正方形以外だと引き伸ばされて表示される)
・画像サイズは120×120(それより大きい場合は縮小されて表示される)






テンプレート

公式プリセット「Tilt Only.orbapreset」を元に作成した、
コピペして使える自作プリセット用テンプレートです。

当プリセットがBASSフォルダー内にある場合のみ、タップ+Tiltジェスチャーのみに動作が限定されます。

tuningやdescription、coverImage等を書き換えてご使用ください。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<PresetEntry name="Templete" 
            
            description="Templete by Rwi(@rwiiug). Info - https://rwiiug.hatenablog.com/entry/ORBA_matome / This is a utility preset that has only the Tap and the Tilt gestures for midi mapping purposes."
            tagList="" 
            coverImage=""

            coverImageHash="27159061390845" uuid="0520cdd725f249caa123bfcd9fd5334c">

  <TuningEntry key="C" name="Major" intervals="P1, M2, M3, P4, P5, M6, M7, P8"
               midiOctave="2" transpositionType="RetainNotes" type="percussion"

               tuning="60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67"/>

</PresetEntry>






以上!
何か情報があり次第、随時追記していきます。